働き方改革資料

ノート・レポート 保護者・地域の皆様へ(H31.3.18)

≪保護者・地域の皆さまへ≫

~学校の働き方改革へのご理解・ご協力をお願いします~

 いま、社会全体で働き方改革が進められていますが、学校の働き方改革は特に待ったなしの状況です。

 皆さまのお住まいの地域の学校は、毎日どのような御様子でしょうか。朝は子供たちが登校する前の7時すぎから子供たちを迎えるための準備を始め、夜は職員室の明かりが20 時前までついていて、土日もグラウンドや体育館で部活動をやっている、これは全国の小・中学校の平均的な姿です。

 一人一人の子供たちと丁寧に向き合いたいという思いから、毎日時間に追われて働いているため、先生は他の職業と比べてストレスが高いというデータもあります。「そのくらいなら、自分の方が働いている!」「忙しいのは先生だけみたいなこと言わないで!」。皆さまから、そんな声が聞こえてくるかもしれません。ですが、働き方改革が必要なのは先生を楽にするためではありません。学校が、子供たちの未来に直結する場所だからです。

 御存じのとおり、これから大きく社会が変わろうとしています。今でもパソコンやスマホ、外国人との仕事や交流など、私たちが子供だったときとは、取り巻く環境が違ってきています。学校は、子供たち一人一人がそんな未来をたくましく生き抜く力を身に付ける場所でなくてはなりません。きちんと文章が理解できる力、答えのない問題に対し、自分で考え、仲間と協力して取り組む力、知らない人に自分の意見を正確に伝える力、そして英語やプログラミングなど、しっかり子供たちに身に付けさせなくてはなりません

 学校の働き方改革は、これまでの先生の働き方を見直し、毎日元気に子供たちの前に立って未来につながる力を育む教育を行うために必要なものなのです。先生には、授業やその準備をはじめとした先生にしかできない教育活動に全力投球していただきましょう。

 お住まいの地域の学校でも、これから『朝の登校時間を改める』『夜は学校も留守番電話を設置する』『部活動の時間を見直す』『子供の補導時は基本的に保護者に対応いただく』といった取組が始まります。こうした中、地域全体で子供たちによりよい教育環境を実現するため、学校・家庭・地域が教育目標を共有し、それぞれ何ができるか考え、連携・分担することが重要です。例えば、保護者や地域の方々などがサポート・スタッフや部活動指導員ボランティアとして学校に参加する、土日の地域行事や登下校時の見守り、夜間の見回り等は地域が主体的に担うといった取組をこれまで以上に進めていただくことも考えられます。特に、PTA に期待される役割は大きく、学校や地域との役割分担を話し合い、共通理解を得ながら、活動を充実することが大切です。

 未来を担うのは子供たちです。子供たちのために我々みんなで取り組んでまいりましょう。子供たちの教育をますます良くする、そのための学校の働き方改革にご理解をいただき、ご協力をお願いいたします。


平成31 年(2019 年)3 月18 日
文部科学大臣 柴山昌彦

 → 保護者・地域の皆様へ.pdf

ノート・レポート 関係府省・関係団体の皆様へ

≪関係府省・関係団体の皆様へ≫

学校における働き方改革の推進について

∼ 学校現場の負担軽減に御理解・御協力をお願いします ∼


○ 本年1月に中央教育審議会において、学校における働き方改革の推進に係る提言が取りまとめられました。これを受けて、文部科学省はこれからも、子供たちの未来のため学校が質の高い教育を提供し続けられるよう、働き方改革の取組を強力に進めてまいります。

○ 今、学校現場では、教師の長時間勤務の深刻な実態があります。これまで学校は、社会の要請を受けて、子供に関わる様々な業務を担ってきましたが、過労死なども社会問題となっており、ここで教師の働き方を変えなければなりません。これは Society 5.0 といった変化の激しい時代を生き抜く力を子供たちに育むためにも重要です。教師がこれまで以上に子供たちの指導に専念できるよう環境整備していく必要があります。

○ こうした中で、例えば、学校は、多様な機関から依頼を受け、子供・家庭向けの周知などを行っています。特に夏休みなど長期休業前は依頼が多く、子供たちの成績処理で忙しい時期にも関わらず、学級ごとに配布物を仕分け、学級担任が一枚ずつ配っています。各機関からのそれぞれの依頼は小さいですが、これが積み重なることで負担が大きくなっています。

○ こうした各機関からの依頼について、今後は、関係機関の皆様にも御理解・御協力いただきながら、例えば、

・ 学校への子供・家庭向け周知等の依頼は厳に精選いただき、学校を経由しない方法(公共施設等での配布、インターネットや広報誌への掲載など)を活用いただくこと

・ 学校に依頼せざるを得ない場合も、学校への依頼方法は教育委員会等の判断に、周知方法は各学校の判断にそれぞれ委ねていただくこと、また、配布が必要な場合は、児童生徒分の部数を確保した上で、学級担任が配りやすいよう、例えば、あらかじめ 40 部ずつ仕切りを入れること

・ 作文・絵画コンクール等について、学校単位での応募や学校による審査や取りまとめを要件としない、また、学校経由での子供への周知を求めないようにしていただくこと

・ アンケートへの回答など、学校の関与が不可欠でないものについては、学校が集約することを前提とせず、直接各機関に送付できるようにしていただくこと

など、御配慮いただきたいと考えています。

○ これからも、子供たちの未来のため学校が質の高い教育を提供し続けられるよう、文部科学省として全力を尽くして取り組んでまいりますので、皆様も学校における働き方改革に御理解・御協力をお願いいたします。

平成 31 年(2019 年)3 月 18 日
文部科学大臣 柴山昌彦