意識調査結果①

1 平成30年度意識調査

1.調査目的
本校では、中央審議会から出された「学校における葉Tら着方改革に係る緊急提案(H29.8.29)」を踏まえ、平成29年度から業務改善に取り組んできているが、平成30年度の取組についてその成果と課題を明らかにし、今後の取組の参考とする。

2.調査項目
平成30年度に取り組んだ以下の項目(1~39)について「効果あり」「どちらとも言えない」「効果なし」で回答する。「効果なし」の場合には、その理由も明らかにする。また、それ以外の取組や今後取り組めそうなこと(40~41)については、記述式の回答とする。

【時間に関すること】
1.校時表の変更
2.業間休みを25分に
3.業間休みの集会実施
4.登下校時刻の変更
5.出退勤時刻の制限
6.職員会議の効率化
7.会議の時間割への固定化
8.朝の職員打合せの縮減
9.夏休みの会議縮減
10.閉庁期間前のプール閉鎖
11.出張への出発時刻の明記
12.クリーンタイムの実施
13.クリーンタイムαの実施
14.学期末事務処理日
27.勤務時間記録表の導入
29.勤務時間記録表のまとめ

【人に関すること】
15.教科担当制の拡大
16.校務分掌の整理統合
17.学年委員の廃止
18.とみさぽの実施
19.SSSの配置

【環境に関すること】
20.礼・給食・清掃のスタンダード化
21.文書サーバの整理
22.週案の改善
23.電話連絡ボードの設置
24.集金業務のシステム化
25.業者支払のシステム化
26.学年会計処理のシステム化
28.FAXのネットワーク化
30.職員室の配置変更
31.プリンタの位置変更
32.机上の整理整頓
33.職員室ロッカー上の整理整頓
34.印刷室の棚の整頓
35.休暇簿の個人ファイル化
36.グリーンファイルの配布
37.書庫の整理
38.研究紀要を作らない
39.指導案の簡略化

【その他】
40.その他、今年度の取組について
41.今後、取り組めそうなこと

3.調査対象
 富岡小学校県費負担教職員(38人) 回収率:100%

4.調査時期
 平成30年12月1日~12月12日

5.結果

 「効果あり」の割合が高い順に並び替えたのが下記のグラフである。
 39項目中30項目で80%以上の職員が「効果あり」と感じているが、9項目では「効果あり」と感じた職員は80%未満であった。この結果を基に、継続・充実・改善・廃止の視点から考察する必要がある。


6.考察

【時間に関すること】
1.校時表の変更
 月曜日から木曜日までは業前活動を行わず、朝の会から始めることとした。全体で10分間早く帰りの会が終了することとなり、放課後の校務を行う時間を確保した。しかし、「効果あり」は79%であった。課題としては、高学年の教科担当制の実施に伴い、教室移動の時間が不足していること、登校後、静かに集中した時間を作り、心を落ち着かせてから授業に臨むようにする必要があることなどが指摘されている。
→8:15から8:30までを朝の会とすることで、落ち着いて授業に臨めるようにする。また、業間の5分休みを10分にすることで、余裕を持って教室移動を行い授業時間を確保する。その分、業間の25分休みを20分に、昼休みの30分を25分に短縮する。

2.業間休みを25分に
 集会等を業間休みに行えるよう、また児童の運動量確保のために、業間休みを20分から25分に拡大した。ただし、金曜日は15分休みとし、3校時からの校時表を他の曜日とそろえた。連絡帳やノートを見るなどの学級事務の時間に余裕が生まれ「効果あり」は80%を超えた。しかし、業間休みに職員はいつも教室にいるため、結局子どもたちと話をしたり、遊んだり、勉強を見たりするので、業務改善にはつながらなかったという意見もあった。
→業間休みは20分に戻す。縮減した5分は5分休みの拡大に充て、特別教室の移動時間を確保する。

3.業間休みの集会実施
 月曜日から木曜日の業前の時間を廃止したことに伴い、集会活動を火曜日の業間休みに実施した。しかし、「効果あり」は54%と最も低く、業務改善にはつながらなかったと言わざるを得ない。その理由として、業間休みは担任にとって連絡帳やわくスタを見たり、家庭に連絡を取ったりしている時間であること、集会が延びると3時間目に食い込んでしまうことなどがあげられる。
→業間休みに集会活動は実施しない。代わりに、集会活動を行う場合には、掃除を行わず、歯みがき終了後から集会活動を行うようにする。運動を伴う集会は、金曜日の業前に行うよう配慮する。

4.登下校時刻の変更
 登校時刻については、7:30に児童玄関を解錠していたが、7:45へと変更し、児童の安全確保や職員の出勤時刻の適正化を図った。また、下校時刻については、夏期は16:30で冬期は16:00としていたが、年間を通じて16:00とし、放課後の業務時間を確保した。児童の下校時間が早くなり、職員が教材研究等に当たれる時間が確保できるようになった。この項目については「効果あり」が97%であり、業務改善につながっていると考えられる。
→継続する。

5.出退勤時刻の制限
 勤務時間は8:15~16:45であるが、準備や教材研究の時間を確保するために、出勤時刻は7:00以降、退勤時刻は19:00までとした(7to7の原則)。やむ得ない場合は、前後1時間までの延長を認めるが、20:00以降は全職員が退庁するようにした。「効果あり」が87%で、一定の効果があったと考えられる。しかし、業務内容が減りきっていない状態で勤務できる時間が減ると、結局家で仕事をする量が増えてしまう、教材研究や個別指導にもう少し時間を取りたいと思うと、結果的には時間外勤務が多くなってしまうという課題も指摘されている。
→業務の精選を一層進めることで、時間外勤務の縮減を図る。

6.職員会議の効率化
 職員会議に提案事項は、事前に校長に提出した上で、運営委員会にかけることとした。校長が事前に目を通すことで、運営委員会での指示を徹底した。また、協議事項を絞り込み、定められた時間の中で協議することとした。連絡事項は、校務支援システムの掲示板を利用し、会議の時間を縮減した。これらのことにより、会議は月曜日の15:00~16:00の1時間で終了するようになった。その後の時間を有効活用し、打合せを行っている学年も見られた。「効果あり」が100%で、全員がその効果を実感している。
→継続する。

7.会議の時間割への固定化
 木曜日の6校時をクラブや委員会を行う時間として、その時間に運営委員会、生活指導委員会等を行うこととした。参加する職員については、クラブや委員会の担当から外し、参加できるようにした。「効果あり」は92%で、一定の効果があったと考えられる。しかし、特別支援学級担任は児童を残して会議に出るため、クラブを補助員に出てもらう場面もあり、それ以外の時間にしわ寄せが出てしまうという課題も指摘されている。
→継続。ただし、特別支援学級の児童への対応について、全校体制でサポートできるようにする。

8.朝の職員打合せの縮減
 朝の職員打合せは読み聞かせのときのみ(毎月第2・4金曜日)に行い、それ以外はC4thで情報共有するようにした。「効果あり」が97%で、ほぼ全員がその効果を実感している。しかし、読み聞かせの準備で一旦教室へ行き打合せのために職員室へ戻らなければならないことや、担任のうち一人が児童の指導のために残り打合せに出られていない状況も見られる。
→職員打合せの廃止について検討する。

9.夏休みの会議縮減
 夏季休業中に行っていた小中連携研修会は、授業日での開催とした。また、職員会議・校内研修も夏季休業中には行わないこととした。「効果あり」が92%で、一定の効果があった。夏季休業中の年休取得推進にもつながっている。
→継続。

10.閉庁期間前のプール閉鎖
 夏季休業中の閉庁期間の前にプールを閉鎖し、プール管理の負担を軽減した。また、閉庁後のプール当番をなくした。 プール実施の回数は、前年度とほぼ同様であるが、検定の回数は減っている。夏季休業中の年休取得推進につながったこともあり、「効果あり」が100%で、全員が効果を実感することができた。
→継続する。

11.出張への出発時刻の明記
 出張の開始時刻とともに学校を出発する時刻を、C4th及び職員室ホワイトボードへ明記することとした。「効果あり」が76%で、業務改善への効果はもう一歩であった。これは、交通違反を防止することができ、服務規律の確保の徹底にはつながったが、見通しを持って業務ができることにはつながらなかったためであると考えられる。
→服務規律確保の手立てとして継続する。

12.クリーンタイムの実施
 2学期から毎週金曜日の退勤5分前(16:40)になったら職員室内に音楽を流し、5分間自分の机上やパソコンの整理整頓を行うクリーンタイムを導入した。「効果あり」が87%で、一定の効果があったる。クリーンタイムの実施により、机上の整理整頓に意識が向いたことは大きな成果である。しかし、言語指導教室は、7時間目が15:45~16:45であるため、保護者との相談などに支障がないようにする必要がある。
→継続する。言語指導教室の午後の時間割を15分ずつ繰り上げ、16:30に終了できるようにする。

13.クリーンタイムαの実施
 2学期からクリーンタイムαとして月一回定時退勤日を実施した。今までに3回実施できたが、最終退庁時刻が17:50、16:55、17:15であり、目標は達成されている。「効果あり」も92%で、一定の効果があったと考えられる。クリーンタイムαの実施は、定時退勤への意識につながっている。また、「きれいにしておかなければならない」「早く帰らなければならならない」など、決まっていれば、それに向けてどうすれば良いか自分で考えてできるので、強制的なことがあっても良いという意見も合った。言語指導教室では、クリーンタイムαについても、終了時刻の工夫が必要である。
→今後も月1回程度実施していく。

14.学期末事務処理日
 各学期末に2日ずつ事務処理日を設け、学期末事務処理の時間を確保した。「効果あり」が100%で、全員がその効果を実感している。
→継続する。拡大も検討する。

27.勤務時間記録表の導入
 パソコンによる勤務時間記録表が導入され、自分の勤務時間を把握できるようになった。 「効果あり」は89%で、一定の効果があったと考えられる。勤務時間記録表をつけたことにより、自分の勤務時間について改めて知ることができたことは、早く退勤しようという気持ちにつながったようである。
→継続する。

29.勤務時間記録表のまとめ
 勤務時間記録表について、月ごとにまとめ、全職員に公開した。「効果あり」は89%で、一定の効果があったと考えられる。時間外勤務の時間が表やグラフになってはっきりしたことは、時間外勤務への意識が変わることへつながっている。
→継続する。

【人に関すること】

15.教科担当制の拡大
 学力向上特配を活用し、教科担当制の拡充を図った。具体的には、3・4年生で2教科、5年生で7教科、6年生で8教科を教科担当制とすることができた。また、少人数指導から教科担当制へ移行したことにより、空き時間を増やし、業務時間を確保した。さらに、特別支援学級への出授業や相談室登校児童へ対応する時間も、授業時数に位置づけた。「効果あり」は71%であった。これは、効果の実感に偏りがあったためであると考えられる。高学年においては、各教員の担当教科数がしぼられ、教材研究の時間の確保につながった。また、特別支援学級への出授業も一定の評価を得ている。しかし、低学年では空き時間がなく、教科担当制の効果を実感しにくかった。
→継続する。相談室シフトの廃止を検討する。

16.校務分掌の整理統合
 これまでの校務分掌は各学年の担当者が必ず入ることになっていたが、必要最低限の分掌のみにとどめ、それ以外は主任のみでの対応とした。また、全体的に分掌表を見直し、整理統合を図った。「効果あり」は74%で、効果の実感はもう一歩である。人権教育部では、人権月間充実のために、各学年に1名の部員が必要である、また、体育主任の仕事内容が多いため、もう少し業務を細分化し主担当を決めたらどうかという意見もあった。
→部会の見直し、体育主任の負担軽減、分掌の平均化(主任の偏りの解消)

17.学年委員の廃止
 PTA学年委員の選出を、紙上投票を基に担任が電話連絡をして依頼していたが、学年委員そのものを廃止し、ボランティアを募集し対応することとした。「効果あり」が92%で、一定の効果があったと考えられる。異動したばかりの職員にとって、大きな負担の軽減となっているが、今年度転入してきた職員にとっては、実感を伴うことが難しかった。
→継続する。

18.とみさぽの実施
 学年委員に代わるものとして、学校支援ボランティア「とみさぽ(富小サポーターズ)」を立ち上げ、授業やPTA活動の支援をしてもらった。「効果あり」は95%で、一定の効果があったと考えられる。学校担当を教務主任が、保護者担当をPTA副会長が行っているが、引継ぎを円滑に行うことや、支援できる活動をさらに洗い出していることも必要である。
→継続する。

19.SSSの配置
 5月から配置されたスクールサポートスタッフ(SSS)を活用し、担任の事務軽減を図ってた。業務としては、教材プリントや通信等の印刷配布、テスト結果の入力、学年会計事務、教材・教具の準備、学年室・教材室・印刷室・更衣室等の整理整頓などである。「効果あり」は100%で、全員が効果を実感している。今年度、最も効果があった方策である。
→継続するよう要望する。

【環境に関すること】

20.礼・給食・清掃のスタンダード化
 これまで学級や学年に一任されていた始業終業の礼の仕方や給食の流れ、清掃の流れを統一し、富小スタンダードとして取り組んだ。「効果あり」は79%で、効果の実感はもう一歩である。しかし、指導の一貫性が確保されるとともに、滑らかな年度移行が行えることから、成果として表れるには時間がかかる方策であると考える。
→見直した上で継続する。

21.文書サーバの整理
 共有サーバ内のフォルダを、校務分掌表に合わせて再構築した。年度ごとのフォルダ構成としたことで、古い物から順次削除できるようにした。「効果あり」は92%で、一定の効果があったと考えられる。「効果なし」が1名いるが、転入してきた職員にとっては昨年度からの変化がわかりにくく、直接業務と結びついた実感がなかったためであると考える。
→ 見直した上で、継続する。

22.週案の改善
 週案をより簡易なものに改善した。また、週案を作成すると、週予定が自動的に作成されるようファイル間の関連づけをした。「効果あり」は89%で、一定の効果があったと考えられる。ただ、週案を事前に作成していなかったり、作成するのに負担感を感じたりしている職員も見られる。
→見直した上で、継続する。週案の必要性や意義について再確認する。

23.電話連絡ボードの設置
 担任が家庭へ連絡し連絡がつかなかった場合、誰が誰に連絡したかを職員室の壁に掲示できるようにした。「効果あり」は87%で、一定の効果があったと考えられる。家庭から連絡があった場合、担任が不在でも職員が対応することでき、時間の短縮と信頼感の向上につながっている。しかし、使う場面のなかった職員は効果を実感できていない。
→継続する。

24.集金業務のシステム化
 集金日を設定し、担任は児童から集金袋を集め、担任外が回収し、事務職員が集計し、金融機関へ預けるようシステム化した。「効果あり」は92%で、一定の効果があったと考えられる。事務職員を中心に、担任外の職員が業務を分担することで、担任の負担軽減につながっている。しかし、特別支援学級の児童が個人によって必要な教材が学年全体と異なる場合があるため、早めに学年の決まった集金金額を集金することは難しかったようである。
→継続する。さらに、口座振替の導入を進めていく。ただし、特別支援学級の集金については改善する。

25.業者支払のシステム化
 業者支払日を設定し、各学年から請求書を事務が預かり、一括で業者へ支払うようシステム化した。「効果あり」は97%で、ほぼ全員が効果を実感できた。その後、FAX振り込みへと移行し、さらに安全性と効率性が高まっている。
→継続する。さらに、口座振替の導入を進めていく。

26.学年会計処理のシステム化
 担任が行っていた会計簿・会計報告の作成を、SSSと担任外が担当し、統一したフォーマットで作成できるようシステム化した。「効果あり」は89%で、一定の効果があったと考えられる。特に、学期末の成績処理で立て込む学期末のサポートは効果の実感につながったようである。一方で、言語が各学年に一人つき、まとめていくと良いのではという意見もあった。
→言語担当への分担も検討した上で、継続する。

28.FAXのネットワーク化
 職員室にあったFAX専用機から、印刷室の複合機へFAXの機能を移行し、送受信を自席のPCから行えるようにした。また、受信は事務が行いC4thで転送するようにした。「効果あり」は55%で、効果を実感できたのはほぼ半数である。FAXを送信する職員が限られていること、今までよりも移動距離が長くなったことなどが原因であると考える。しかし、職員も自席のPCから送信するようになることで、効果を実感できるようになると考える。また、ペーパーレスとなり、経費削減にもつながっている。
→継続する。

30.職員室の配置変更
 職員室の机の配置を変更し、教務部・担外・事務・養護がすぐに連絡を取れるようにした。また、職員の動線を考え、机や書棚、プリンタなどの配置替えを行った。さらに、電源コードやLANケーブルなどについて使用していないものは撤去し、見通しの良い環境づくりを行った。「効果あり」は87%で、一定の効果があったと考えられる。変化したときには、抵抗感や効果の実感があるが、慣れてしまえば当たり前になってしまうことでもある。
→見直してさらに改善していく。

31.プリンタの位置変更
 プリンタの位置を変更し、職員室の前方・中央・後方で使用できるようにした。「効果あり」は89%で、一定の効果があったと考えられる。「効果なし」が1名いるが、転入してきた職員にとっては昨年度からの変化がわかりにくく、直接業務と結びついた実感がなかったためであると考える。
→プリンタの不具合が多くなってきているため、買換えも検討する。

32.机上の整理整頓
 職員室の机上にはノートパソコン以外は置かないことを原則とし、常に整理整頓するよう心がけ、作業スペースの確保と互いに顔が見える環境づくりを行った。「効果あり」は84%で、一定の効果があったと考えられる。「きれいにしておかなければならない」と決まっていれば、それに向けてどうすれば良いか自分で考えてできるので、強制的なことがあっても良いという意見もあった。
→見直した上で継続する。

33.職員室ロッカー上の整理整頓
 職員室にあるロッカーの上には物を置かず、ロッカーの中に入れることとした。ロッカーや棚の中で不要な物を整理し、必要な物の整頓を行った。新たに物を置くことのできるスペースを確保した。
 「効果あり」は66%で、効果の実感はもう一歩であった。「効果なし」が2名いたが、その理由は「ロッカーの上に置いた方が仕事をする上で効率的だったから」、「直接業務改善と結びついていたのか、実感がなかったから」であった。
→作業場所を確認するとともに、作業スペースを確保した上で、継続する。

34.印刷室の棚の整頓
 印刷室の棚を、使用目的ごとに分類し、分かりやすくカテゴリごとに色分けして配置した。「効果あり」は97%で、ほぼ全員が効果を実感できた。
→「使ったら元の位置に戻す」を徹底し、継続する。

35.休暇簿の個人ファイル化
 今までは一冊にとじ込んであった休暇簿を、個人ごとのファイルにし背表紙を色分けして職員室前方のロッカーに配置した。「効果あり」は100%で、全員が効果を実感できた。
→継続する。

36.グリーンファイルの配布
 個人で事務関係の書類をまとめて閉じておけるようグリーンファイルを職員へ配付した。「効果あり」は74%で、効果の実感はもう一歩である。「効果なし」が2名いるが、その理由は「あまり使っている人が見られず、しまい込んでいるだけだから」「直接業務改善と結びついていたのか、実感がなかったから」であった。
→継続するとともに、活用方法を工夫する。

37.書庫の整理
 耐火書庫の中身や棚を年度ごとに整理し、印刷室で必要なものは印刷室へ移動した。「効果あり」は89%で、一定の効果があったと考えられる。 
→「使ったら元の位置に戻す」を徹底し、継続する。

38.研究紀要を作らない
 校内研修の紀要を作成せず、実践データを保存することで、研究紀要に代えることとした。「効果あり」は100%で、全員が効果を実感できた。
→継続する。また、校内研修の内容そのものの検討が必要。

39.指導案の簡略化
 一人一授業の指導案形式を簡略化し、本時の展開と板書計画を中心とした略案とした。「効果あり」は100%で、全員が効果を実感できた。
→指導案の目的を明確にし、継続する。

【その他】
・職員会議資料を事前に配布しているので、提案者には協議事項のみを提案してもらい、会議のさらなる短縮を図る。
・会議資料の作成について様式を統一する(会議資料のスタンダード化)
→提案様式の統一化とともに、提案事項の精選を図る。

・夏の放課後の水泳クラブがあるため、学年会がその後になってしまい、超過勤務につながってしまう。
→鼓笛練習、水泳クラブ、陸上クラブの担当業務を言語担当も含めさらに平均化する。

・PTAの会議時刻の変更
→PTA会長へ依頼しているが、仕事が終わってから集まるとなると18:30開始が精一杯のようである。1時間以内で会議が終わるよう、各委員長と調整できないか。

・年休取得の推進
→長期休業中の積極的な取得を進める。

・人によって校務分掌の差が大きすぎる。勤務時間記録表をつけていますが、根本的な仕事量を分担しない限り、勤務時間は減らないと思われる。学年主任と研究主任、体育主任と生徒指導主任など、大きな分掌をもっている先生の業務量が多い。
・業務量が多い(児童数が多い)教員の負担軽減。具体的には、分掌の軽減、学級事務補助のシステム化、思い切ったPTA活動の削減、特にPTA活動は、やって良かったと思える活動も多いので、削減することがいいことかどうかは判断に迷います。ただ、負担感は大きいです(特に主担当)
→校務分掌が平均化されるよう組織づくりを行う。

・体育主任の仕事内容があまりにも多いので、もう少し業務を細分化し、主担当を決めるなど改善の余地はある。例えば、市や県関係の担当(配布や集約、連絡)、プール管理担当、水泳担当、陸上担当、持久走担当、長縄大会担当など。
・体育も、水泳・陸上は体育主任と別に水泳主任・陸上主任をたて、体育主任はそれに伴う書類の作成に専念させたらどうか。
→体育主任の業務を細分化し、分担する。

・夏休みの図工関係の宿題をなるべく学年ブロック固定にしていく。(今年度は学年会で何にするかの相談をし、学年ごとに名札シートを作成したので、小さい学校の図工主任が6人いるようなイメージだった。)
→図工部会を継続し、夏休みの課題の検討を行う。

・人権教育部は部員がいてくれると助かる。人権月間について、各学年の実態を踏まえた取り組みができるよう、話合いの場をもつ必要がある。また、報告書作成のための資料作りもあるため、各学年に1名の部員を置きたい。
→人権教育部会を組織表に位置づける。

・学級担任の学級事務の援助(学習プリントの丸付け)
→丸付けについては評価者が行うことが望ましいが、それ以外のことで支援できることを洗い出すことが必要である。

・もっと言語の先生を生かすことはできないか。学年会計なども担任外や言語が各学年に一人つき、まとめていくと良いのではないか。
→来年度の言語担当者の配置数により検討していく。

・相談室に指導児童がいないときは、クラス(特別支援学級も含む)に入ってTTをする。
→相談室シフトは廃止し、授業時数に充てていく。

・担外、言語担当が学級の給食指導に入り、担任がその時間に宿題のチェック等ができるようにする。児童もいろいろな先生との関わりが持て、学校全体としては給食のスタンダード化がさらに進められる。
→休憩時間を変更することで実施可能、同時に同じ学年に入れれば学年会の時間にもできる。

・校内研修で、人としての生き方のような視点で、情報交換できるような研修も必要なのではないか。教員としての成功や幸せは、教員の仕事以外のところでの人生が充実しているということも大切だと思うからである。教員の人生観、道徳観のようなものが、仕事の中に出せるような雰囲気が欲しいと思うし、ワークライフバランスも考えたい。
→校内研修の内容と時間を確保について検討する。

・教員だけでなく、図書の職員や相談員など校内の職員の関係が円滑にいくとよいと思い、雑談の中に積極的に情報共有するようにした。児童についての情報は、だれが、どこまで、どの程度共有すべきなのか、明確なものがないので、教員でない立場の場合にはどこまで踏み込むべきなのか、皆さん悩まれているので、そのあたりの指針があるとよい。どの方も、子どものためにがんばりたいと思っているので、その力の有効活用は課題だと思う。
→その会議に出ているメンバーでの共有を基準とする。

・すべては子どもたちの幸せのためにと思ったら、先生がもっと元気で、もっと笑っていられるように、通級としての役割も考えるべきだと思うが、明確な指導をもらう機会が乏しい。通級を総括していただけるような指導主事なのか、担当なのかがいるとよい。各々の地域の好きな通級をつくっていいのかもしれないけど、専門性の維持など考えたときには、ある程度の組織は必要だと思う。
→市教委へ要望していく。

・職員室のファイル棚・ファイルを整理・整頓する。
→計画的に実施していく。ファイルの文書にはインデックスをつけるなどの工夫も必要である。ファイリングそのものの改善も必要である。

・学校預り金システムの改善(年間集金額の提示、支払額の予算化等)
・特別支援学級の会計について、定額集金を試行しましたが、支払額、残高ともに個人で異なるため、統一した処理ができない。特に残高の処理が複雑になるため、12月に支払額分だけ集金し、業者支払ができるとすっきりする。
→業務改善プロジェクトで検討
・学年でのプリント等の情報共有(一括印刷)も挙げられる。
→学年会等での情報の共有化を進め、各学年の中でSSS依頼担当を決めておく

・宿題の取り組み方を工夫することで、持ち帰り仕事の軽減につなげられるのではないか。
→学力向上委員会で検討する。(宿題のスタンダード化)

・今後、休み時間などに子どもと一緒に活動する機会を増やしたい。
・担任外による交通指導、学校周辺の落ち葉掃き
→職員の主体的な取組に期待

・ホームページは、ある学校では教務や教務主任がすべての学年の出来事を代表して載せていて、担任は関与しないことになっているそうだ。
→学級だよりの代わりとなっていることを確認する。一部の負担とせず、組織的な取組が重要である。

7.まとめ
 働き方改革に向けた業務改善として、様々な取組を行ってきた。それらの取組の中には全員が効果を感じたものもあるが、あまり効果を感じられなかったものもあった。効果があったものは継続・充実させ、効果がなかったものは、その原因を追及した上で、改善・廃止を検討していく。また、「それぞれの項目についてどのような効果をねらって改善していったのか自分が理解していなかった。」という指摘があるように、新たな方策を実施する場合には、その目的や効果について明確に示していくことも求められている。
 何よりも今年度の取組を通して、業務改善に対する職員の意識が大きく変化したことが最大の成果である。「職員の意識が大きく変わった一年だったと思う。これを来年度以降も継続していくとが大事だと思う。」「自分の中でも業務改善や勤務時間などについて意識が変わった。これが今年度の中で一番大きい。」「他人事のように考えていた業務改善が自分事として捉えることができるようになり、業務改善への意識が高まった。業務改善を通して縦のつながりや横のつながり、チームワークの大切さを改めて実感した。」「一人では行動に移せなかったり、改善しようとしていなかったりしたことも、学校全体で取り組んだことで頑張ることができたように思う。」「チームワークがとても良く、職員が分掌に責任を持って取り組んでいる成果だと思う。」という意見にもあるように、職員全体がひとつのチームとして同じ方向を向いて実践できたことが、意識改革につながったと考える。そのためには、職員一人一人が「職員室の雰囲気は自分たちが作る」という意識を持ち、組織の一員として適所適材となるよう努力するとともに、協力し合い、助け合いながら、協働していくことが必要不可欠である。また、「言われたから仕方なくやる」のではなく、「自ら主体的に行える」ような雰囲気を醸成していくことも重要である。
 業務改善とは、時間外勤務を減らすことが目的ではなく、やるべきことをきちんとできるようにすることが目的であることを念頭に、さらに働き方改革を推進していかなければならない。