意識調査結果②

2 令和元年度意識調査

1.調査目的
 本校では、中央審議会から出された「学校における働き方改革に係る緊急提案(H29.8.29)」を踏まえ、平成29年度から働き方改革に取り組んできているが、令和元年度の主な取組についてその成果と課題を明らかにし、今後の取組の参考とする。

2.調査項目
 令和元年度に新たに取り組んだ以下の項目(1~26)について「効果あり」「どちらとも言えない」「効果なし」で回答する。「効果なし」の場合には、その理由も明らかにする。また、それ以外の取組や今後取り組めそうなこと(27~28)については、記述式の回答とする。

【時間に関すること】
1 朝の会を8:15から
2 業間を10分に
3 清掃の時間に集会実施
4 クラブ・委員会を月曜日に
5 運営委員会の固定化
6 朝の職員打合せの廃止
7 在校等時間記録の活用
8 夏休み水泳指導の縮減
9 心肺蘇生法講習会の廃止
10 運動会の半日実施

【人に関すること】
11 教科担当制の拡大
12 ローテーション給食
13 SSSの活用
14 ローテーション道徳

【環境に関すること】
15 職員室後方棚の活用
16 指導案の簡略化
17 口座振替の実施
18 道徳のスタンダード化
19 通知表所見スタンダード化
20 校内研修の改善
21 週案の改善
22 夏休みの宿題の精選
23 夏休み作品展の廃止
24 学校だより配付方法変更
25 職員室LAN再構築
26 体育関係ロッカーの整理

【その他】
27 その他、今年度の取組について
28 今後、取り組めそうなこと

3.調査対象
 富岡小学校県費負担教職員(30人) 回収率:100%

4.調査時期
 令和2年1月8日~1月17日

5.結果
 「効果あり」の割合が高い順に並び替えたのが下記のグラフである。
 26項目中25項目で80%以上の職員が「効果あり」と感じているが、1項目では「効果あり」と感じた職員は63%であった。この結果を基に、継続・充実・改善・廃止の視点から考察する必要がある。

6.考察

【時間に関すること】

1 朝の会を8:15から
 8:20から始めていた朝の会、5分早め8:15から行うこととした。勤務開始と同時に朝の会を始めるため、準備の時間が十分とれないことが心配されたが、前日に準備を行っておくことで、円滑に朝の会を行うことができた。また、朝の会を10分間から15分間へと延長したことで特別教室への移動の時間や、補充学習・アンケート調査などの時間を確保することができた。

2 業間を10分に
 教科担当制の実施に伴い、1・2時間目、3・4時間目・5・6時間目の業間を、5分から10分へと拡大した。児童と職員の教室移動の時間を確保することができた。しかし、低学年・中学年では、時間の使い方の指導が徹底できす、児童への指導が必要となる場面も見られた。限られた5分間の中で、準備や移動を行えるようにする指導していくことも、必要だと思われる。

3 清掃の時間に集会実施
 昨年度25分休みに行っていた集会活動を、月曜日の清掃の時間に行うこととした。これまで、移動に時間がかかり、授業時間に影響があったが、歯磨き終了後に移動を開始し、移動終了後に昼休みとなることから、集会に必要な時間をかけることができるようになった。月曜日の清掃がなくなることで、汚れが気になることがないように、普段から散らかさない、汚さない意識を高める指導にも取り組むことができた。

4 クラブ・委員会を月曜日に
 木曜日の6校時を普通授業とし、クラブ・委員会を月曜日の6校時に実施した。授業時数確保のためには効果的であったが、働き方改革としては「効果あり」が最も低い項目となってしまった。これは、職員会議の時間を確保するために、委員会を30分間で実施したが、十分な活動ができなかったことや、定刻に職員会議を始めることは難しかったためであると考える。年間予定授業時数を確保しながら、月曜日が5校時となるよう調整する必要がある。

5 運営委員会の固定化
 昨年度に引き続き、木曜日の6校時に運営委員会が開けるようにした。木曜日の6校時は運営委員以外の職員が授業を担当するようにしたり、学年合同の授業を組んだりすることで、運営委員が会議に出られるよう時間割を編成した。職員会議に向けて、しっかりと案を練ることができ、職員会議の効率化につながった。

6 朝の職員打合せの廃止
 金曜日の朝に行っていた職員の打ち合わせを廃止し、担任が教室で読み聞かせの指導に当たることができるようにした。職員が、職員室と教室を移動する時間も必要なくなり、効率化が図れた。情報共有が必要な事項については、C4thの連絡掲示板を活用し、共通理解を図ることが習慣化された。

7 在校等時間記録の活用
 昨年度実施していた「勤務時間記録」が、今年度は「在校等時間記録」と変わり、在校時間と勤務時間の区別ができるようになった。また、個人ごとに勤務時間の状況がグラフで見られるようになった。これらのことにより、職員が自分自身の勤務の状況を客観的に認識できるようになり、在校時間に対する意識の変化が見られるようになった。

8 夏休み水泳指導の縮減
 夏休み中の水泳指導については、すべてを水泳クラブ(市の水泳記録会を目ざすAコースと泳力向上を目指すBコース)として、事前に希望者を募る方式に変更した。Bコースは各学年2回ずつの実施とし、職員のプール当番は一人あたり5回程度となった。3年前の三分の一まで縮減できた。併せて、保護者によるプール監視も廃止し、暑さ対策として効果を上げることができた。さらに、天候に左右されないプール実施の在り方を検討していく必要がある。

9 心肺蘇生法講習会の廃止
 保護者によるプール監視が廃止されたことで、PTAによる「心肺蘇生法講習会」も廃止した。担当職員や参加していた職員の負担軽減となった。反面、職員にとっては大切な講習会でもあることから、校内研修等で実施していくことも検討する必要がある。 

10 運動会の半日実施
 授業時数の確保、暑さ対策、少子化対策などの理由から、運動会を半日で実施した。児童にとっては、短時間の中で集中して演技ができたことで、充実した運動会となった。また、低・中・高学年ブロックで演技を行ったことにより、指導時数の縮減と、指導の効率化が図られ、職員の負担軽減につながった。保護者にとっては、弁当を作る心配から解放されたとの声も聞かれた。

【人に関すること】

11 教科担当制の拡大
 担任外と特別加配教員を活用し、3・4年生では2教科、5・6年生では8教科で、教科担当制を実施することができた。教材研究の充実と効率化、評価の統一化が図ら、学力向上につながった。また、多面的に児童を見ることができ、生徒指導の充実にもつながった。児童にとっては、多くの教員と関わることができ、中学校への滑らかな接続につながると考える。

12 ローテーション給食
 今年度は、月曜日から水曜日までの3日間で、学年1回ずつ、2週間で全学年がローテーションするよう実施した。週の前半に実施したことで、学年会の効率化を図ることができた。ただ、給食のスタンダードが守られていない学級があり、担任外が指導する際に戸惑いが見られた。アレルギー対応と給食スタンダード実施の徹底を図る必要がある。

13 SSSの活用
 今年度は、SSSが毎日勤務することができ、学級事務等の支援がさらに充実した。担当を定め、効率化を図った学年もみられた。業務依頼カードは、業務に要した時間が記入できるよう変更し、業務数のみならず、業務時間を把握できるようになった。業務依頼から完了までの流れが定着してきているが、口頭で依頼をしている特定の職員が見られる。自分の業務に見通しをもち、依頼できるようにしていくことが必要である。

14 ローテーション道徳
 今年度は、道徳科の時間割を学年で同じ時間に設定し、担任と道徳教育推進教師がローテーションで指導に当たってみた。教材研究したことを複数回授業で生かすことができたり、他の職員の授業を参観することができたりし、道徳科の授業力が向上した。

【環境に関すること】

15 職員室後方棚の活用
 職員室後方の棚を整理し、今までバラバラに置かれていた校務分掌のファイルを一括して保管するようにした。上段には前年度、下段には今年度のファイルを置くことで、いつでも、誰でも見られる環境が整えられた。様々なスタンダードや手続きについても一括してファイリングして閲覧できるようにしてある。今後は、インデックスを貼ることを徹底して行きたい。

16 指導案の簡略化
 市教委の指導案形式例の変更を受け、本校でも指導案形式の簡略化を行った。今まで、指導案作成にかけていた時間を、教材研究の充実に使うことができるようになり、授業改善につながった。ただ、今までのような指導案を書く機会がなくなり、職員の論文を書く力を高める研修も、行う必要があると思われる。

17 口座振替の実施
 学校預かり金について、口座振替で行えるようにした。担任が集金業務を行うことがなくなると共に、学校で現金を扱う機会がほとんどなくなった。このことにより、集金業務の安全生と効率化が図られた。引き落とし不能が増加することが憂慮されたが、2月の引き落とし不能は、4家庭だけであり、保護者の協力体制も整ってきている。業者振り込みもインターネットバンキングで行えるよう変更した。

18 道徳のスタンダード化
 校内研修のテーマ研修として道徳科の授業づくりについて、3回の代表授業を通して研究を深めることができた。その経過を道徳教育推進教師がまとめ、長期研修員が道徳科授業の流れとしてまとめることができた。このことにより、本校独自の道徳科授業のスタンダード化を図ることができ、来年度以降、さらに道徳教育の充実につなげることができると考える。

19 通知表所見スタンダード化
 通知表の所見の書き方について、基本的な留意事項と例文を提示し、本校としての通知表の在り方について、共通理解を図ることができた。スタンダード化したことで、通知表作成にかかる時間が縮減されるとともに、再提出が減少し、効率化が図られた。

20 校内研修の改善
 校内研修をテーマ研修とテーマ外研修の2本立てとし、教員の授業力向上と資質・能力の向上について、すぐに役立つ研修を行うことができた。一人一授業は、人事評価と関連させることで、研修の負担が軽減された。校内研修を2学期末までに終了したことで、3学期は、それ以外の講習や報告会に充てることができた。

21 週案の改善
 教科担当制が充実してきたことで、担任しているクラスの週案と担当している教科の週案を別々に作成する必要が出てきて、高学年担任の負担が増加していた。そこで、クラスと担当教科をいっぺんに入力できる週案へ改善を図った。このことにより、高学年の週案作成に係る業務の軽減が図られた。それ以外の学年については、使用していないことから「どちらとも言えない」という回答が多かったものと思われる。

22 夏休みの宿題の精選
 各学年に一任されていた夏休みの宿題について実態を調べると、学年による差が大きいことが明らかとなった。そこで、全校で宿題の内容や量について統一することとした。その際に、児童の「主体的な学び」の観点から、量よりも質を重視し、宿題の数を3種類に絞り込んだ。このことにより、児童は、それぞれの課題にじっくりと向き合うことができ、コンクールでの入賞が増加した。また、2学期始めの職員の業務量が縮減された。

23 夏休み作品展の廃止
 夏休みの宿題を精選したことで、夏休み作品展のための作品作りは、行う必要がなくなった。そのことにより、全校一斉での夏休み作品展は開催することはできなくなった。そこで、各学級において夏休みの成果発表会を開催し、自慢の取組について発表する機会とした。夏休み作品展に係る業務がなくなったため、大幅な業務量の縮減につながった。

24 学校だより配付方法変更
 学校だよりは連絡児童が該当の地域関係者へ届けていた。しかし、児童衆の減少に伴い、児童によっては届けることが困難な場合も出てきた。また、学校だよりを回覧板で回していただけるようになり、「個別の送付は必要ない」という意見も聞かれた。そこで、地域関係者への学校だよりの送付は希望者のみとし、郵送で行うようにした。このことにより、児童と職員の負担を軽減することができた。

25 職員室LAN再構築
 職員室の天井からのケーブルについては、必要最小限になるよう整理してきたが、全面的に取り払うことはできなかった。そこで、電源ケーブルとLANケーブルを別ルート(机の裏側を通す)に再構築し、天井から降りていたケーブルをすべて撤去することができた。さらに職員室の見通しが良くなり、風通しの良い環境を整えることができた。

26 体育関係ロッカーの整理
 職員室廊下側に、体育関係のロッカーが置いてあったが、主に運動会のみで使用するものや普段使用していないものが置かれていた。そこで、ロッカーを整理することで、体育関係の物品の置き場所を確保し、縦型のロッカーを撤去することができた。このことにより、廊下側の壁が明るくなり、圧迫感がなくなった。また、今まで隠れていた掲示板を使用することもできるようになった。

【その他】

【時間に関すること】
・校時表については、移動時間に10分時間があるのは、ゆとりがあり良いと思う反面、10分を有効活用することに課題を感じている。
・「業間を10分に」については、児童の意識の徹底ができないと、おしゃべりや遊びの時間が発生してしまうので、難しいと思いながら日々を過ごしています。私個人としては、10分でゆとりをもって行動するより、5分しかないならその分素早く行動する、という方がよいと考えてしまいます。業間が10分になり、注意や声かけをすることが多くなったので、「どちらでもない」を選択しました。
→教科担当制を行っている高学年にとっては業間10分は効果がある。しかし、それ以外の学年にとっては、10分間を持て余している様子も窺える。高学年は、業間10分必要なのか、高学年とそれ以外の校時表を変更することは可能かなどについて検討する必要がある。

・静岡県で、「午前5校時制」の取り組みが進んでいるというニュースを目にしました。どういう仕組みか詳しくは分かりませんが、業務改善につながる方法の一つなのだと思います。
→午前5校時制にすると、集中できる午前中に授業ができる、出張による自習を減らせる、放課後の業務時間の確保につながるなどのメリットがある。しかし、朝の会の時間が十分確保できない、給食が12時半を過ぎてしまうなどのデメリットもある。本校では、朝の会に時間確保、児童主体の授業実施、できるだけ12時頃には昼食を食べる、担任不在の場合には補教を組み自習を避ける、などの取組により、学力向上と放課後の業務時間確保に成果を上げているため、午前4校時制を継続する。

・木曜の6校時、特支学級担任は空き時間にならない。運営委員会に出席するために自習となる。来年度は、1,2年生の先生の出授業として最初から組んでおけば、自習監督の必要がなくなる。下校指導の時間を含めると1,2年生の先生が6校時に出ることは難しいのが実情ではあるが。
→来年度は、木曜日がクラブ・委員会の時間に戻ることから、特支学級の児童が自習にならないよう配慮していく。

【人に関すること】
・ローテション朝の会(各学年で担任が持ち回りでほかの学級の朝の会を担当し、各学級の様子をつかむ。)
→ローテーション道徳と同様に、各学年で試行的に実施してみる。特に教科担当制を行っていない学年にとっては、全体児童と関わる機会となる。

【環境に関すること】
・PTA行事の見直し
・PTA行事の精選を行ってはどうでしょうか。父親委員会のふれあいコンサートが負担が大きいと思います。中間発表やプログラム決めなど、保護者より教師の負担が大きいです。ふれコンを開催するならば、もっとPTAの保護者の力を借りて開催、または思い切ってなしにしてもよいと思います。
→PTA行事については、教員の負担を軽減していく必要があると考える。来年度から「とみさぽ」にコーディネーターを立て、保護者以外の外部人材を登録制で活用できるようにする。PTAの事業についても、担当者がとみさぽで支援してもらえるよう要望していくことが必要である。

・読み聞かせコラボの廃止。
→PTA運営委員会では報告済みなので、来年度の母親委員長と担当職員で検討していく。

・電話機のワイヤレス化
・放課後業務の削減による時間創出のため、留守番電話の設置。
→市教委へ要望し続けていく。

・各種便りのHPからのダウンロード基本化
→各種便りについては、周知徹底を図るためにも、紙で配るとともに、Webページでも公開していくことも必要である。印刷・配布・アップロードについては、SSSに依頼する。

・全学年で必ず注文するもの(最近だと書き初め用紙とか台紙など)は、誰かが一括で電話注文する。全学年で必ずSSSにお願いすること(掲示や絵画展の穴開けなど)は、誰かが一括で依頼する。など、全学年で共通することは、何かと一括でできると時間の削減になるのではないかと思います。
→教科主任等がとりまとめ、SSSへ依頼する。また、学年でもSSS担当をつくり、学年でまとめて依頼し、効率化を図る。

・C4thの活用①健康診断票のデータ化。②健康診断一覧表の改訂③受診のおすすめをプリントできるようにする。(現在は眼科と歯科のみ対応)④健康観察表のC4th対応。
・スポーツ振興センター給付金の口座入金
→市教委へ要望を継続していく。
・朝の交通指導の廃止
→朝の交通指導については、保護者・地域へお任せし、朝の交通指導は廃止する。ただし、自然災害など緊急の場合には、職員で分担し、交通指導に当たる。