取組の結果

まとめ

Ⅴ 取組の結果

1 最終退庁時刻の変化
 平成28年度には22:16であった年間平均退庁時刻は、平成29年度には21:29、平成30年度には20:05、令和元年度には19:45となり、以前よりも約2時間半早く帰れるようになった。職員からは、「家庭でゆっくり休め、翌日元気に子どもたちの前に立つことができるようになった。」「以前よりも気持ちに余裕が出てきた。」などの感想が聞かれた。

2 時間外勤務について
 平成28年度には、1か月当たりの時間外勤務は推計100時間以上であったが、平成30年度には、45時間を下回るようになり、令和元年度はさらに下回った。


3 意識調査について
 平成30年12月と令和元年1月に、職員へ働き方改革の取組に関する意識調査を行った。その結果、47項目にも及ぶ取組の中には、全員が効果を感じたものもあるが、あまり効果を感じられなかったものもあった。効果があったものは継続・充実させ、効果がなかったものは、その原因を追及した上で、改善・廃止を検討した。
 また、「それぞれの項目について、どのような効果をねらって改善していったのか、理解していなかった。」との指摘もあり、新たな取組を実施する場合には、その目的・目標・手段について明確に示していく必要があることが再認識された。
 そして、何よりも大きな成果は、働き方に対する職員の意識が大きく変化したことである。「職員の意識が大きく変わった一年だったと思う。これを来年度以降も継続していくことが大事だと思う。」「自分の中でも業務改善や勤務時間などについて意識が変わった。これが今年度の中で一番大きい。」「他人事のように考えていた働き方改革が自分事として捉えることができるようになり、業務改善への意識が高まった。」「働き方改革を通して縦のつながりや横のつながり、チームワークの大切さを改めて実感した。」「一人では行動に移せなかったり、改善しようとしていなかったりしたことも、学校全体で取り組んだことで頑張ることができたように思う。」「チームワークがとても良く、職員が分掌に責任をもって取り組んでいる成果だと思う。」という意見にもあるように、職員全体がひとつのチームとして同じ方向を向いて実践できたことが、働きがいのある環境づくりにつながったと考える。

Ⅵ おわりに
 この3年間、働きがいのある職場環境を目指して、様々な取組を行ってきたが、働き方改革を推進していくポイントは以下の通りであると考える。

1 大胆かつ慎重に
 働き方改革は、常識にとらわれず大胆に考えることが必要である。今まで当たり前とされてきたことについて、本当に必要なのか?別の方法ではダメなのか?という視点で根本的に考え直してみることが大切である。一方で、その推進は慎重に行うべきである。職員全体の雰囲気を察するとともに、保護者や地域住民の理解を得るために、根拠を明確にしながらていねいに説明していくことが大切である。

2 目的・目標・手段を明確に
 働き方改革に特効薬はなく、小さな一つ一つの取組を積み重ねていくしかない。そのためには、取組の目的・目標・手段を明確にし、職員全体で協働していく雰囲気を創り出していくことが大切である。そして、やるからには徹底する。例外を許さない覚悟も必要である。

3 成果の実感を
 何よりも、職員一人一人がその成果を実感することで、自分事として捉えていけるようにすることが大切である。また、職員からの提案を積極的に取り入れ、ボトムアップで推進していくことも重要である。

「時間の使い方はそのまま命の使い方である」と言われる。教職員が時間外勤務を縮減しながらも本来の業務にきちんと取り組める時間を確保し、働きがいのある職場環境を整え、子どもたちのために教育の充実が図られるよう、今後も地道に取り組んでいきたい。