具体的な取組

1 平成29年度の取組

(1)時間
①登下校時刻の変更
・登校時刻については、7:30に児童玄関を解錠していたが、7:45へと変更し、児童の安全確保や職員の出勤時刻の適正化を図った。
・下校時刻については、夏期は16:30で冬期は16:00としていたが、年間を通じて16:00とし、放課後の業務時間を確保した。

②出退勤時刻の設定
・勤務時間は8:15~16:45であるが、準備や教材研究の時間を確保するために、出勤時刻は7:00以降、退勤時刻は19:00までとした。やむ得ない場合は、前後1時間までの延長を認めるが、20:00以降は全職員が退庁するようにした。

③会議の時間限定と効率化
・職員会議に提案事項は、事前に校長に提出した上で、運営委員会にかけることとした。校長が事前に目を通すことで、運営委員会での指示を徹底した。
・協議事項を絞り込み、次第に制限時間を明記し、定められた時間の中でポイントを絞って提案し、説明の明確化を図った。
・連絡事項は、校務支援システムの掲示板を利用し、会議の時間を縮減した。
・職員会議、校内研修は月曜日の放課後15:00~16:00までの1時間とし、必要最低限の確認と共通理解の場とした。

④学期末事務処理日の設定
・各学期末に2日間ずつ、学期末事務処理の日を設定した。
・学期末事務処理日は給食清掃後放課として、業務時間を確保した。

(2)人
①教科担当制の充実
・専科教員及び学力向上特配を活用し、3年生以上の理科と音楽を教科担当制とした。

(3)環境
①整理整頓の励行
・職員室の机上にはノートパソコン以外は置かないことを原則とし、作業スペースの確保と互いに顔が見える環境づくりを行った。
・ロッカーや棚の中で不要な物を整理し、必要な物の整頓を行った。新たに物を置くことのできるスペースを確保した。
・共有サーバ内のフォルダを、校務分掌表に合わせて再構築した。年度ごとのフォルダ構成としたことで、古い物から順次削除できるようにした。
・パソコンのデスクトップ画面の整理整頓を心がけた。

②職員室の環境整備
・職員室の窓にはレースのカーテンが掛けられていたが、ブランドに変更したことで外部へ明かりが漏れる量を減少させた。また、職員室内も明るくなり、環境が向上した。
・職員の動線を考え、机や書棚、プリンタなどの配置替えを行った。
・電源コードやLANケーブルなどについて使用していないものは撤去し、見通しの良い環境づくりを行った。
③学年会の場所の掲示
・職員室北側の黒板に、学年会を行っている場所を表示できるようにした。
・電話がかかってきたときに、すぐに連絡できるようになった。

④学級だよりの廃止
・毎週発行している学級だよりについては、週の予定表だけにした。学級での出来事については、学校Webページで発信することで保護者へ知らせることとした。

⑤指導案の簡略化
・計画訪問以外の指導案については、略案として、作成時間の縮減を図った。

⑥学校Webページの改善
・これまで、学校Webページは、総合教育センターのサーバへFTP(ファイル転送プロトコル)でアップロードする方式であった。この方法だと、Web作成ソフトがインストールされているパソコンでしかアクセスできないため、担当者の負担となるとともに、更新頻度はとても低い状態であった。
・そこで、総合教育センターで運用管理しているCMS(コンテンツマネージメントシステム)のひとつである「ネットコモンズ」へ、移行することとした。
・このことにより、職員室のどのパソコンからも、更新が可能となり、更新頻度や更新回数が著しく増加し、充実した学校Webページを運用できるようになった。

⑦学校評価の改善
・学校評価の評価項目を、学校経営方針の努力点と一致するよう変更した。
・経営方針に則った方策が立てられるとともに、経営方針の評価・改善につながった。
・評価項目を一人一人の職員に割り当て、評価・分析を行った。それを評価分析シートにまとめ、全職員で共有化を図った。

2 平成30年度の取組

(1)時間
①校時表の変更
・月曜日から木曜日までは業前活動を行わず、朝の会から始めることとした。
・金曜日は、第2・4週にボランティアによる読み聞かせを行い、それ以外の週で全校集会や児童集会を行うようにした。
・業前を業間休みに行えるよう、また児童の運動量確保のために、業間休みを20分から25分に拡大した。ただし、金曜日は15分休みとし、3校時からの校時表を他の曜日と揃えた。
・全体で10分間早く放課し、校務を行う時間を確保した。
・木曜日の6校時をクラブや委員会を行う時間として、その時間に運営委員会、生活指導委員会等を行うこととした。参加する職員については、クラブや委員会の担当から外し、参加できるようにした。

②出退勤時刻の周知徹底
・20:00以降は全職員が退庁することを、職員も参加しているPTA総会や地域との連携会議の中で校長から宣言した。
・保護者や地域住民からは、「電気が消えるのが早くなった」との声が寄せられている。

③長期休業中の行事・会議の縮減
・夏季休業中に行っていた小中連携研修会は、授業日での開催とした。また、職員会議・校内研修も夏季休業中には行わないこととした。
・プールは学校閉庁期間の前に閉栓し、プール当番の回数を縮減した。
・これらの取組により、夏季休暇5日+年休4日以上の取得に努めた。

④出張への出発時刻の明記
・出張の開始時刻とともに学校を出発時刻を、C4th及び職員室ホワイトボードへ明記することとした。余裕をもって現地に向かうことができ、見通しをもって業務ができる。また、交通違反を防止することもでき、服務規律の確保の徹底につながる。

⑤定時退勤日・クリーンタイムの設定
・2学期から毎週金曜日の退勤5分前(16:40)になったら職員室内に音楽を流し、5分間自分の机上やパソコンの整理整頓を行うクリーンタイムを導入する。
・2学期から、月に1回程度定時退勤日(クリーンタイムα)を実施した。その日は、クリーンタイム終了後、全職員が速やかに退庁できるようになった。

⑥朝会の廃止
・金曜日の業前で行っている読み聞かせの時間に職員朝会を行っていたが、C4thでの連絡が徹底してきていることから、3学期から職員長会を廃止した。それまで担任は、一旦教室へ行き児童へ指導をした後職員室へ戻り、朝会終了後に再び教室へ行っていたが、朝会の廃止により往復をする必要はなくなった。また、読み聞かせの指導もしっかりと行うことができる。

⑦集会を業間休みから清掃の時間へ移動
・火曜日の業間休みに行っていた集会活動は時間的に無理があることから、火曜日は清掃を行わず、その時間に集会を行うこととした。校庭で集会を行うことで、児童は教室へ移動せずに、昼休みにすることができる。外遊びの励行にもつながる。

⑧時間外勤務の見える化
・県教委から配布された「勤務時間記録表」を活用し、職員一人一人の勤務時間を記録した。
・勤務時間記録を元に、一か月ごとに「時間外勤務のまとめ」を全職員に公開した。内容は、学年ごとの平均時間外勤務、前月との増減、個人ごとの時間外勤務(氏名は非公開)、最終退庁時刻などをグラフ化し考察を加えたものである。業務量の多い時期を把握できるとともに、計画的な業務への取組への意識化につながった。

⑨夏季休業中の水泳指導の縮減
・これまで2学期までプール管理を行ってきたが、閉庁期間前にプールの閉栓を行うこととした。
・それに伴い、お盆過ぎまで行っていた夏季休業中の水泳指導も、学校閉庁期間前に終了することとした。

(2)人
①教科担当制の拡充
・学力向上特配を活用し、教科担当制の拡充を図った。具体的には、3・4年生で2教科、5年生で7教科、6年生で8教科を教科担当制とすることができた。このことにより、各教員の担当教科数が絞られ、教材研究の時間の確保につながった。
・教科担当制をすることにより、空き時間を増やし、業務時間を確保した。
・特別支援学級への出授業や相談室登校児童へ対応する時間も、授業時数に位置づけた。
・運営委員会や生活指導委員会に出席する学年主任等については、空き時間を増やして、時間割の中に会議の時間を位置づけた。

②校務分掌の整理統合
・これまでの校務分掌は各学年の担当者が必ず入ることになっていたが、必要最低限の分掌のみに留め、それ以外は主任のみでの対応とした。
・全体的に分掌表を見直し、整理統合を図った。

③PTA学年委員の廃止
・PTA学年委員の選出を、紙上投票を基に担任が電話連絡をして依頼していたが、学年委員そのものを廃止し、ボランティアを募集し対応することとした。
・異動したばかりの職員にとって、大きな負担の軽減となった。

④「チーム学校」事務職員特配の活用
・事務職員が加配されたことにより、事務長をリーダーとした業務改善プロジェクトチームを立ち上げ、課題の把握と具体策の立案・実践を行っている。
・学校預かり金や予算執行の統一化・マニュアル化を図り、持続可能なシステムづくりを目指している。

⑤SSSの活用
・5月から配置されたスクールサポートスタッフ(SSS)を活用し、担任している職員の事務軽減を図っている。
・業務としては、教材プリントや通信等の印刷配布、テスト結果の入力、学年会計事務、教材・教具の準備、学年室・教材室・印刷室・更衣室等の整理整頓などである。
・担任は業務依頼カード「Please Support」でSSSへ業務を依頼する。SSSから依頼した職員への連絡がある場合には業務完了カードで連絡する。

⑥ローテーション給食
・3学期から、担任外が特定の学年に一斉に給食指導に行くことで、担任は職員室で給食を取りながら打合せを行えるようにした。指導者が不在となる時間をつくらないようにすることやアレルギー対応児童の引き継ぎを確実に行うことなどについて確認した。

(3)環境
①礼・給食・清掃のスタンダード化
・これまで学級や学年でバラバラだった始業終業の礼の仕方や給食の流れ、清掃の流れを統一し、富小スタンダードとして取り組むこととした。
・指導の一貫性が確保されるとともに、滑らかな年度移行が行える。

②週案の改善
・週案をより簡易なものに改善した。
・週案を作成すると、週予定が自動的に作成されるようファイル間の関連づけをした。

③文書管理の徹底
・紙で残しておく書類については、分掌や内容ごとにファイリングすると共に、インデックスを必ずつけておくことで、探す時間を短縮する。
・ファイルを置いておく場所を定め、誰でもすぐに見られるようにする。

④電話連絡ボードの設置
・担任が家庭へ連絡し連絡がつかなかった場合、誰が誰に連絡したかを職員室の壁に掲示できるようにした。
・家庭から連絡があった場合、担任が不在でも職員が対応することでき、時間の短縮と信頼感の向上につながる。

⑤学校預かり金のマニュアル化
・学校で集金している預かり金について、金額や集め方、集計の仕方、入金・出金の方法、業者への支払い方などについて、持続可能なシステムづくりを行った。
・業者への支払いについては、FAX振込を導入し、現金を扱わずに行えるようになった。

⑥FAXの移動
・職員室で使用しているFAX専用機から印刷に置いてある複合機へ、FAX回線を変更する。
・教務前の棚の上を整理し、見通しを良くする。
・FAXの受信については、デジタルファイルで保存するようにすると共に、受信した際に教頭のパソコンにポップアップが表示されるよう設定する。
・設定すれば、各自のパソコンからも送信可能となる。
・ペーパーレスと移動距離の縮減につながる。

⑦校内研修紀要のデジタル化
・校内研修紀要は冊子にまとめず、研修してきたことをデジタルデータとして蓄積し、作成にかかる時間を縮減した。

3 令和元年度の取組

(1)時間
①校時表の変更
・月曜日から木曜日までは学級での朝の会を8:20から始めていたが、勤務開始時刻の8:15から始めることとした。
・金曜日のみ業前活動を行い、第3週はボランティアによる読み聞かせを行い、それ以外の週は学年集会または学級扱いの時間とした。それ以外の全校集会や児童集会は、月曜日の清掃の時間に行うこととした。月曜日は清掃がないことから、普段から学校をきれいに使うよう意識化を図ることが必要である。
・業間休みは25分から20分に縮小し、1・2校時、3・4校時、5・6校時の間を5分から10分に拡大した。このことにより、教科担当制を行う上で、教室の移動や授業準備にゆとりが生まれる。
・時数確保のために、木曜日の6校時はクラブ・委員会ではなく、教科の授業を行えるようにした。クラブ・委員会は月曜日の6校時に行うこととした。
・職員会議・校内研修・生活指導委員会は、月曜日の放課後に1時間以内で行うこととした。
・運営委員会は木曜日の6校時に固定し、出席する職員は空き時間となるよう時間割を工夫した。

②夏季休業中の水泳指導の縮減
・暑さ対策から、夏休みのプール指導の回数を大幅に縮減した。
・今まで行ってきた希望者による水泳クラブを拡充し、各学年数回程度、教員が指導することとした。
・保護者のプール監視は廃止し、心肺蘇生法の講習会も行わないこととした。

③運動会の半日実施
・学習指導要領の全面実施に備え授業時数を確保すること、熱中症予防のための暑さ対策をすること、今後の児童数減少へ対応することすることを目的として、運動会を半日で実施することとした。
・6年生の組み立て体操や新入学児競争は行わない、低学年・中学年・高学年ブロックで演技を行うなどの工夫を行い、全体的な縮減を図った。

(2)人
①教科担当制の拡充
・学力向上特配を活用し、教科担当制の拡充を図った。具体的には、3・4年生で2教科、5・6年生で8教科を教科担当制とすることができた。
・学力向上特配を専科として活用したため、5年生は119人が3学級編制(40人・40人・39人)となった。このため、学級事務が多くなることから、SSSは5年生担任が優先的に活用できるよう配慮した。

(3)環境
①職員室書架の活用
・職員室後方の書架は、これまで学年で使用してきたが、整理することで大幅に空きスペースをつくることができた。
・空いたスペースを活用して、今までバラバラに置かれていた分掌のファイルを一括して置けるようにした。
・上段には今年度のファイル、下段には前年度のファイルを同じ順序で配置することで、いつでも、誰でも、見ることができる環境を整えることができた。

②学校預かり金の口座振替化
・10月から、学校預かり金の口座振替を実施した。これで現金での集金はなくなり、学級担任の集金業務はすべて軽減された。
・修学旅行費と卒業アルバム代については、4年生と5年生の時に積立を行っていたが、これを廃止し、保護者が業者へ直接振り込めるよう調整中である。

③夏季休業中の宿題の精選
・これまで、学年に任されてきた夏季休業中の課題について、全校で統一することとした。
・内容を、基礎基本、主体的学習、コンクールへの挑戦の3つに絞った。
・夏季休業中前に、児童各自が「夏休みの学習計画」を立て、主体的に取り組めるよう配慮した。
・2学期始めの事務軽減につながった。

④夏休み作品展の廃止
・夏季休業中の宿題を精選したことで、夏休み作品展は廃止した。代わりに、各学級や学年で「夏休みの成果発表会」を行い、自分の取組について発表する機会をもった。
・作品展の準備や片付けなどの、負担軽減につながった。

⑤学校だより配布の工夫
・学校家庭地域連携会議において、「学校だよりは回覧しているので、個人への配布は行わなくて良いのではないか。」という地域からの声により、学校だよりは希望配布制とした。希望者は3分の1程度となったため、配布の負担軽減につながった。
・連絡児童が持参するのではなく郵送としたことで、児童及び家庭の負担を軽減した。